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オヒョウの木

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あなたは、400歳…いえ、500歳をこえているかもしれないのですよね。

オヒョウの木を見あげる。
球体になっている宿木。

朽ちながらも、枝の先端には、今か今かと待つ芽吹きを感じさせてくれる。

「また来ました。おはようございます。地面に浮きあがった根はちゃんと、踏みませんよ。」

同じことを言い、おなじようなことを訊いている。

まだ展開していないが、オヒョウの木の葉は、いち度見ると忘れられない。ヒグマの手をひろげたかたちに似ている。しかし、とてもあいらしい。どうしてクマたちが人間との境界線をこえてやってくるか考えてはくれないのか。そう思うと、よりいとおしい葉になる。

樹皮に耳をつける。頬をつける。鼻のあたまつける。おでこをつける。両掌をつける。抱きつく。そして両手の先はぜったいに届かない幹まわりに、うれしさが込みあげてくる。


生きていますね。

生きていますよ。


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足もとに広がる、咲きはじめたばかりのエゾエンゴサクを踏まないように、またオヒョウの木に両掌をつける。

ある公園ではじめて「オヒョウ」という木の名前を知り、樹皮にさわらせてもらった日から、8年が経った。

もうひとつの秘密の森のなかにも、オヒョウの木を見つけることができた。以来、両地点の定点観察を繰り返してきた。ようやくわが家の庭にもオヒョウの木も迎える日がくる。

蝦夷地に自生している木を迎えるにあたり、お世話になっている造園業のA氏には無理をさせている。彼はいつも「わたしも勉強になりますから、いいんです。」と言ってくれる。A氏もわたしも、観察し勉強し、覚えていく。A氏は、わが家に植えた木々たちの定点観察をしている。鋏を入れない自然樹形がどう変化していくのか。お互いに、木々たちに対して興味はつきない。

木を植えるたびに、毎朝の庭の見回りの時間は増えていく。里山からは、キツツキのドラミングが響く。頭上ではヒバリがいそがしそうに囀る。鳥たちは増えていく。わたしは、せっせと下草刈りをする。あと1ヶ月で今年も草刈りをする時季がやってくる。

蝦夷地に自生している木々たちを、もっと迎えたい。

A氏の本音は、木々たちの定植だけでなくメンテナンスもしたいのかもしれない_。それは無理だ。「最後は自然樹形」との言葉から、庭の木々たちには余程ではないかぎり鋏を入れない。庭師のダッドとの約束としている。

オヒョウの木とをあわせ5種の木々たちが、どうか無事に、やってきますように。

最期まで、木を植えつづけていたい。



# by iroha8788 | 2024-04-18 11:07 | おはようの時間

生きものたちとの日々


by 葉花