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相生の朴の木

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カラマツ林のあいだに、相生の朴の木を見つけ通いはじめてから、もうすぐ1年が経つ。

雪に埋もれる休眠期の今も、目に見えないところでつながっている2本の朴の木は、たがいの根に共生している外生菌根菌や、微生物を介し、情報交換し、生長し、やがて、いっぽんの大樹になっていく。地盤を支え、鳥たちに食べものを与える。落葉した葉は、陽に、雨風に晒され、そして雪に埋もれ、小動物たちや微生物、バクテリアによって土に還り、土壌を豊かにしていく過程を補う。たとえ倒れたとしても、倒木更新をし、次へとつながっていく。どこまでも循環していく。

雪が深く、近づけず、幹にさわることもできない。

休眠期の冬。植林されてから20年以上が経つカラマツたちは、毎週のように伐採された。つぎはぎだらけの山の斜面。寒空のしたに切り株は残る。雪に埋もれる。冬を越え、春と秋には順番に、カラマツやトウヒノキなどの幼苗を植える場所はいい。看板の「For sale」の文字に、やるせなく唇を噛む。「ここには水源があるのか。道民の知らない、水源があるのか。」すぐに勘ぐる癖がついて、もうすぐ12年になる。


大樹は伐採を免れることがある。

山が深く立ち入ることはできないが、遠くほど見えるようになった眼で、樹形と樹皮の色、模様で判断する眼をもっと鍛えると決めてから、まわりは伐採された場所に立ちつくす、大樹を見つけるたびに、「孤高のシラカバ」「孤高のミズナラ」「孤高のカツラ」と、大樹たちを呼ぶことにした。

鳥たちが実を食べる。ドロッピングする。並んで発芽し生長することもできている。相生の朴の木のもとへ、これからも通いつづける。どれだけの発見をさせてくれるのか。どれだけの智慧を与えてくれるのか。生きものとしてのわたしの基本は、森にある。

この相生の朴の木も、いつか大樹になり、伐採を免れ「孤高の朴の木」になれますように。

覚悟をし、厳しい冬を越えた先にある、歓喜の春まであと3ヶ月。その前に、木々たちは、幹の温度を3~4℃あげて株もとまわりの雪をとかす根開け。春の兆しの相生の朴の木の根開けが待ちどおしい。

最低気温−17℃、最高気温−11℃の日。猛吹雪の真白で何も見えない、窓の外を見る。「相生の朴の木は、まわりの木々たちに守られていますように。」と思う。はやくまた会いにいきたい。





# by iroha8788 | 2023-01-25 10:15 | 森の観察

生きものたちとの日々


by 葉花