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2年前の岩見沢公園内に出店していた花屋さんで見つけたクレマチスは、うどん粉病の粉吹さんで、ちょっと変わった自然子だった。

その花屋にいた方と話をしながらテントの日陰の端っこにいるクレマチスの粉吹さんに目がいってしまい尋ねた。
「このクレマチスって、ちょっと何かちがうというか変わってますよね」
「あぁ、これね、実はね、何が混ざってるかわからないんだ」
「えっ…」(内地では考えられないこの大らかさこそが道民さんらしい)
「ハウスの中で栽培してるっしょ。いっきに交配させるんだけど間に合わない子がいてね、実生苗にはちがいないんだけど自然交配しちゃったらしくて咲いた花を見たら、あれ?ってね。でもなんかね…持ってきてみたの。お客さんみたいな変わってる人がもしかしたらもらってくれるかもって。うちね、よほどじゃない限り薬(農薬)をかけないから、ハウスの中も虫たちが出入り自由なのよね」

「変わってる人」という言葉に大笑いしてしまったが、あまり農薬をかけないことと「虫たちの出入り自由」という言葉に私は、見つけたときから迎えたいと思っていたが、かならず連れてかえると決めてしまった。
値札がついていなかったので尋ねるとその方は「タダでいいよ」という。その言葉にすかさず「タダほど怖いものはありません!でも、言葉を失うほどの値段をつけられても困りますけど」と私がいうと笑いながら「何と何の交配か分からないし、うどん粉病もひどいから」と破格の値段でゆずってくれた。

そのクレマチスが今年、完全に復活して蕾をあげてくれた。
春の芽吹きのときから勢いのいい蔓を伸ばしはじめたが、蕾があがるまでかなり時間がかかるのも、この子の特徴らしい。「ずっと待っていたよ」となでながら挨拶もかかさなかった。しかしその数日後、まだ育ちはじめた5ミリくらいの小さな蕾がついた蔓の先端ごと消えた。
「なんでー!誰よー!」
犯人はシャクトリムシだった。しっかり擬態していたがまだ小さい2cmくらいの長さのおチビ5匹だ。シャクトリムシはあの独特な動きかたと擬態して「私は枝です!」と風に吹かれながらもうしろ脚2本から4本でピトッと枝にくっついてふんばっていたり、時々イタズラをするとブリッジをし戻るときの筋力(と言えばいいのか)のすごさにも感心しつつおかしくて笑ってしまうが、のこった蕾がたった4つというのは、悲しい。
5匹のおチビシャクトリムシを手のひらに乗せ「こんなにいろんな植物がいる中でよりによってこのクレマチスを選ぶなんて、なんて賢いの。元気に育っているほうが美味しいものね。でもこのクレマチスは、ちょっと変わった特別な子なのよ」とシャクトリムシにはまったく関係のないことも言いながら空き地へすぐに移動してもらった。


このクレマチスは「テキセンシス系」の強剪定タイプ新枝咲きなので冬場は地上部が枯れる(これは暴風でホワイトアウトになることが多い我が家では重要なことだ)。花保ちもとてもいい。大きさ1、5cmの壺型の紫色の花がついに咲いた。4つのうちの1つだが。
うどん粉病は迎えたその年だけで消え粉吹さんのときはとっくに終わっている。
せっかく咲いてくれたのだからちがう名前を考えよう。


おん。




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# by iroha8788 | 2018-08-07 09:45 | 原種&原種系クレマチス | Comments(0)