
茶の木の花に鼻を、くっつける。
白粉に杏仁のまじる香りはする。
鼻のあたまに、黄色の花粉がついたとしても、洗えばいい。何度も節の花の香りをあじわう。
部屋の東の窓のそばには、外で越冬できない植物たちが並んでいる。そのなかに、茶の木もある。
いちばん最初の茶の花でつくった茶の花茶をのんだあとは、次々に開花する、茶の花を愛でる。
この春先には、植え替えをし、施肥をした。
根詰まりから解放された茶の木は、今までになく、蕾をあげている。
愛媛に住んでいるときにお世話になった今も大切な、空にいるおばあさまの庭で、はじめて茶の木の花を見つけた日から25年。
_2代目の茶の木は、樹齢12年。樹高40cm。大きさ2cmほどの花、蕊は、黄金の茶筅。毎年、晩秋から冬のあわいにたのしませていただいている。1代目は、種を蒔いて育て3年目で蕾をあげてくれた。東電のせいで、処分するしかなかった。忘れない。
お盆明けから直径1mmにも満たない、小さなちいさなまん丸みどり色の蕾をあげ、2ヶ月かけ順ぐり真白のまん丸蕾に生長していく。開花寸前の真白のまんまる蕾の愛らしいことといったら。これ以上は書くのをやめるがとにかく。ミニ盆栽の処分品のなかに「実生3年生」の茶の木を見つけられたことを、開花を見るたびに僥倖をいただいていることを、思っている。
蝦夷地の冬でも、部屋のなかでしか越冬できない植物たちがいるおかげでわたしは1年じゅう、植物たちを観察することができる。
それにしても、このあわい花の香りは、たまらない。
大切なひとたちへ、届けたい。
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by iroha8788
| 2025-11-09 13:19
| 茶の木

