朽ちる

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去年の今頃だった。ここに住んでから唯一植物のことを対等に話せる店員さんがいる花屋さんへ行ったとき、レジの前に入荷したばかりのミニバラ「グリーンアイス」を見つけた。

すぐさまちょうど近くにいたいつもの店員さんを見つけて尋ねた。
「グリーンアイスは、ここでも外で越冬できる子?」
「大丈夫!この子は、いけるよ!」
その言葉に喜んでいる私を見るといつもの店員さんは、
「前に育てたことがあるの?いま入ってきたばかりで名前もつけてないのに…。まったく!」
と言いながら笑っていた。

そこから花屋さんの敷地内に併設してあるガーデンの方へ二人で歩いていく。
ガーデン内ではじめて見る知らなかった植物や内地にもあった植物が蝦夷地でも無事に越冬しているのを見つけては店員さんに尋ねながら歩きまわる。私のほかにお客さんがいないときはきまってそうなる。
どうしてもこの店員さんと花談義をしたいときには、そういう時間帯を狙って行ってしまう。

自分で育てた経験がない植物を売る店員さんに興味はない。

花屋さんに勤めているのに、植物のことを知らない人ばかりだ。みんな本当に知らない。ただ売ることだけを優先している。
「雇われですから」と顔に出ている。

その理由は、このお国の様々な裏と表に操られることでしか生きていけない長たる面々がやってきた政策の結果でもある。
花屋さんに限ったことではない。
どこにでもそういうヒト、もしくはヒトデナシという飼いならされた集団が無意識を装った確信犯として入社してきたばかりの若者のやる気を削ぎ失望させるために押さえつけて潰した挙句に粉々にする集団のことだ。

そんな中やっと見つけた花屋さんの本物の店員さんだ。
何よりその店員さんが信頼できるのは私のまちがいをきちっと言ってくれることだ。
「それはちがうよ」と言ってくれる人は少ない。私にとって植物を知りつづけることはその日までの楽しみでもあり、迎えるにあたって責任を持つことでもある。だからこそ「口先だけ」の人と関わることを拒絶する。

グリーンアイス。
このミニバラは私と同じ1971年に生まれた。
花保ちがよく朽ちていく花びらも気に入っている。本当はここまで花びらをつけておくのはその後に病気になりやすいので内地だとためらわれるが、ここでは虫たちに食べられることはあっても病気にはならない。だからこそ最後の散る瞬間までこの花を愛でていたい。ここならではの楽しみ方だと思う。
ここでは朝夕の気温差が激しいため咲き始めは桃色だが6月30日から咲きはじめ、今日まで咲きつづけながら名前のとおり薄いグリーンに花びらの色が変化している。うちに迎えた子の中で1番花保ちがいい。
この花が終わったら1度切り戻しをして初秋の花を待とう。
バラを知っていくうちに私と同じ年に生まれたバラを探したくなり7年後にこのグリーンアイスを見つけ迎え10年一緒にいて…捨てた。
そしてここに住んで信頼する花屋さんでこのバラともまた再会できたばかりか信頼する店員さんのいう通り、雪の下でしっかり越冬もしてくれた。
「一緒にいれるだけ一緒にいようね」
どの植物たちにも言いつづけていることを、この子にも言いつづける。


おん。










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by iroha8788 | 2018-07-20 13:00 | おはようの時間 | Comments(0)