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丁子咲き・菊咲き・唐子咲きテリハノイバラ

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久しぶりにやってきた、おじちゃん(ボンサイ先生)は庭をぐるっと見渡し増えた植物を見ながら言った。

「草、刈れよ!」
「やだ!草じゃないもの。」
「ヘビ出るぞ!今そこでカラスヘビを見たぞ!」
「ヘビも大事な先住民だもの。」
「雑草、刈れよ!」
「イヤ!おととい私たちが通るためのケモノ道の部分だけは刈らせてもらったのに。雑草じゃないもの。今はグラス類とヒメジョオンとヨツバヒヨドリとアゲハの幼虫のためのノラニンジンと、テマリツメクサとアカツメクサとゲンノショウコのピンクちゃんとメマツヨイグサと今年初の、どこからか種が飛んできたのか私がくっつけてきたのかわからないけれどセイヨウノコギリソウとオオハンゴンソウが旬になってきてとっても好きな景色になってきたんだから。やっと増えたんだから。」
「カアァ…。で、グラス類が何だって?」
「スズメノヤリ・スズメノテッポウ・スズメノカタビラ・ヤマアワ・ウシノケグサ・チカラシバ・カズノコグサ・エノコログサ・オニナルコスゲ・コハリスゲ・ミタケスゲ・ヒメスゲ・カヤツリ・カモガヤ…もっと言う?あ。それからもうすぐオトギリソウも咲くの。ほら!」
「もう、いい。充分だ。相変わらずだな。まったく。ハアァ。」

そして呆れながらも、趣味で山野草を栽培している人の情報を教えてくれながら最後に必ずこう言いあう。

「ヒグマに食べられるんじゃないぞ!」
「大丈夫!ここのヒグマさまも頭がいいもの。賢いもの。また、おじちゃんちの盆栽を見せてね。」
「うんうん。いつでも、おいで。」

おじちゃんの家の玄関にはひっくりかえりそうな大きさで私には目の保養としかいえない「真柏」がある。家の改築を頼んだときに大工さんの助っ人としてきてくれていたおじちゃんとは山野草のことでも意気投合してからというもの年に数回お互いの家を行き来するようになった。そんなおじちゃんは突然うちにやってきて花談義をしては「休んでいったら?」といっても家に入ろうとせず言うことだけ言ってさっさと帰っていく。

動物好きでもあるおじちゃん夫婦の家に行くと保健所から引き取ったというワンちゃん2匹と、息子さんが小さいときに神社のお祭りの出店で釣った30歳をこえるカメさん1匹、奥さんの肩に乗りお話をするインコさん1羽が仲良く暮らしている。そして庭には立派な盆栽のためのスペースと小鳥たちのための器用なおじちゃんお手製の餌台もある。

おととし、おじちゃんからいただいた3年目になる「ウチョウラン」は今年、株が増えたもののうまく花を咲かせられなかった。無事に越冬したが、そのあと長雨に当ててしまったのがよくなかった。せっかく来てくれたのに咲いていないのを見せるのは忍びない。来年はうまく咲かせられますように。

おじちゃんに、いま咲きだしているこのバラを見せると「本当に大きくなって増えるのばっかりだな。」と言いながら苦笑いをする。確かにうちの植物たちは伸ばし放題の野放し状態ともいえ、剪定は春先にエゾシカとエゾユキウサギが担当してくれるので、整然と並べられ手入れされた盆栽とは正反対だ。


丁子咲き・菊咲き・唐子咲きテリハノイバラが咲き出した。

3年めの今年は、より勢力が増しシュートがこれでもかと何本も株元からでまくりラボ花壇では狭くて手に負えない暴れん坊になってきた。秋までに植え直しをするところを考えないとこのままでは数年のうちにラボ花壇がすべてこのバラに覆い尽くされてしまいそうな勢いだ。
私にとって「暴れん坊すぎる植物の展開」は最高の楽しみへとつづく。植物を迎えるとラボ花壇で2、3年様子を見てから移植するようにしているがこのバラの勢いはとどまることを知らない。その姿から数年後をどんなふうになるかと想像してしまう。

3つの名前があるこのテリハノイバラの名前を呼ぶときにそのときの気分で呼んでしまっているが、いい加減ひとつの呼び方にしよう。…何と呼ぼう。

3号のビニルポットにこじんまりと植えられた10cmくらいの長さの枝が3本だったおチビちゃんは、1mの幅に広がり伸びまくっている。
直径2cmほどの小さいながらも豪華な花と伸びる枝も強烈な勢いがある遺伝子の野性味にはワクワクがとまらない。





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by iroha8788 | 2018-07-24 15:10 | 原種ばらとオールドローズ | Comments(0)

生きものたちとの日々


by 葉花