2018年 10月 31日 ( 1 )

Mini. Green Ice

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秋の薔薇というよりすでに初冬の薔薇だが、Mini. Green Ice は今年最後の花を咲かせている。今年もよく咲いてくれた。春の一番花と秋の三番花は寒さで紅く染まる。

毎年新しい品種が誰がつくっているかわからない流行り廃りとともにでてくる。だんだん新品種に興味がなくなってきている自分がいる。いいものはいい。確かにそうかもしれない。でも何かちがう。育種家さんたちの消えることのない情熱もわからないでもない。ただ魅力を感じる方向が変わった。自然交配して生まれた植物たちに「気」が向くようになった。何より、ずっと昔からある植物たちのことをまだまだ把握できていない。完全に把握できるはずもないが、諦めるものでもない。私の中で植物を知りつづけることは永遠に達成感とは結びつかないが、それでいいと思っている。まして牧野博士のフィールドワークの凄まじさにも敵うわけはない。だからだろうか、大事にしていた牧野博士の本が忽然と消えてしまった。本を読む場所、本を置く場所は、2ヶ所だけと決めていている。それでもいくら探しても見つけられなくて1ヶ月が過ぎようとしている。見つからないときは見つからない。出てきてくれるまで待とう。迎えたいと思っていた植物がぱったりと目の前に現れてくれるときのように。

毎年冬になると「薔薇大図鑑2000」を引っ張り出してきて眺めている…というよりも時間があけばすぐに手に取れるようにいつでも定位置におき、ページをめくりながら頭の中で迎えた薔薇やほかの植物たちのことも一緒に、来年、再来年、10年後を想像しながら再確認のためにネット検索をする。そして「この子とはいつかまた会えるだろうか」と迎えたい薔薇を浮かべていた。


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1971年にアメリカで生まれたミニバラの Green Ice には特別な思いを勝手にかさねていた。私と同じ年に生まれた薔薇を一種類だけ迎えたいと思っていたのがこの子だった。
蝦夷地に移住してからもずっと探していて去年ようやく2代目を迎えてから2回目の冬になる。テリハノイバラの遺伝子入りで丈夫で花がらを摘むだけで手のかからないいい子だ(環境による)。この世に生まれてから47年経っている。この薔薇は実を結ばない。しかし挿し木苗が主流となり、47年消えずに残ってきている。毎年たくさんの品種が生まれては消えていく中で残っていてくれたことは、子供を産めなくても生きてていいんだよと言われているようで、浅はかにも、泣けてくる。最初にこの薔薇を迎えた最大の理由はそこにある。13年前の話だ。しかし今では、この Green Ice がただただ可愛い。

今年も一緒にここの冬を越えよう。一緒にいれるだけいよう。
今日も傘をさして長靴をはいて歩きながら挨拶しながら言う。何度でも言う。


おん。

しかしながら私の想いなど植物たちには一切関係ない。そう考えるとより溺愛してしまう。



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by iroha8788 | 2018-10-31 08:46 | そういう時間